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決議・意見書一覧

令和5年 第3回定例会
件名

脱炭素と自然再興に貢献するサーキュラー・エコノミー
(循環型経済)の推進を求める意見書

内容

 現在、気候変動防止に向けた社会の脱炭素化(カーボン・ニュートラル)や、生物多様性の保全と活用への自然再興(ネイチャー・ポジティブ)は、人類社会を持続可能なものにする上で、最も重要な課題の一つとなっている。
 今こそ、資源効率性の最大化と環境負荷の低減の両立を目指して、大量生産から大量廃棄を生むリニア・エコノミー(直線型経済)から、廃棄される製品や原材料などを「資源」と捉え、循環させる新しい経済システムであるサーキュラー・エコノミー(循環型経済)への転換が必要である。
 そのためには、日常生活を支えている物品の、材料の生成や加工、製品の製造から廃棄における、自然の破壊やエネルギー消費を抑制するサーキュラー・エコノミーへと、ライフスタイル全体を変革する大きな流れをつくり出していかなければならない。
 具体的には、家電製品や製紙、衣類など、国民生活に密着した製品の資源循環を推進するために、製品を生み出す「動脈産業」と、廃棄物の回収や再利用などを担う「静脈産業」の連携など、産業構造の構築が重要である。
 よって、本区議会は政府に対し、循環経済関連ビジネスを新たな成長産業として位置づけ、脱炭素と自然再興に貢献するサーキュラー・エコノミーの実現を目指し、下記の事項について特段の取組を強く求めるものである。


1 貴金属等の有価性の高い資源が集約されている家電・情報通信機器や、再エネ等の大量導入により将来は大量廃棄が予想される太陽光パネル・蓄電池の部材等に対して、資源循環を促進するための制度の創設や適切な運用、精錬技術の開発や施設の整備を促進すること。
2 建築物においても、スクラップ&ビルドというフロー型から、ストック型への移行が重要であり、設計・計画から施工、維持管理までの全体を通して長寿命化やリノベーションによる建築の価値の最大化を図るために、新たな基準の設定や優遇税制の創設を図ること。
3 地域におけるバイオマスエネルギーの利活用により、森林を保全しつつ、木材・木質資源の持続可能な活用を目指すフォレスト・サーキュラー・エコノミー(森林・木材循環経済)の実現や、高齢化に伴い大人用紙おむつの利用が今後増加することを踏まえ、紙おむつのリサイクルの普及に向けた自治体や事業者の取組を支援すること。
4 衣類の多くが有効利用されずに焼却・埋立てされている現状に対して、衣類耐久性やリサイクルの容易性等を重視した衣類の循環配慮設計を積極的に進めると同時に、グリーン購入法を通じ、リサイクル素材を活用した衣類を政府や自治体が積極的に使用すること等で、衣類の循環市場を育成するこ
と。
5 建設リサイクル法等を通じて建設廃棄物は約97%が再資源化されているものの再資源化はダウンサイクルが中心であることから、水平リサイクルやアップサイクルへの転換を進め、量と質の両立を図ること。
6 企業が自社の事業活動が自然環境に及ぼす影響や依存度に関して情報を開示する自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)と、企業が自社の事業活動が気候変動に及ぼす影響等の情報を開示する気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に対して、算定基盤の創設等を率先して進めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年10月12日

 葛飾区議会議長 伊藤 よしのり

経済産業大臣、国土交通大臣、環境大臣 あて
件名 下水サーベイランス事業の実施を求める意見書
内容

 新型コロナウイルス感染症の5類移行後、感染者数の把握が定点把握に変更されたこともあり、正確な感染状況が見えづらくなっている現在、今後起こりうる感染のピークや傾向を把握するためにも、また、新たな感染症に対応するためにも、「下水サーベイランス(疫学調査)」を全国の地方公共団体の下水処理場で実施すべきである。
 感染症対策の基本は、適切な検査を正確に行うことが肝要だが、PCR検査などでは感染者が自主的に検査を受けなければ陽性者を特定できず、各地域の感染の広がりの傾向をつかむことはできない。しかし、「下水サーベイランス」を活用すれば、その地域の「見えない感染を見える化」でき、感染の初期段階から、医療機関の検査報告よりも早く感染の兆候が分かる可能性があり、その後の感染の規模や増減の傾向も把握できる。
 内閣官房が令和4年度に実施した「下水サーベイランスの活用に関する実証事業」でも、その結果報告において「感染状況の把握によって、市民への注意喚起や地方公共団体の体制整備等に活用できる可能性がある」と明記されたところである。
 よって、本区議会は政府に対し、早急に下記の措置を講じることを強く求めるものである。

 記

 令和5年9月1日に発足した「内閣感染症危機管理統括庁」が司令塔となって、厚生労働省、国土交通省、各地方公共団体が連携して下水サーベイランス事業を全国展開すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年10月12日

葛飾区議会議長 伊藤 よしのり

内閣官房長官、内閣府特命担当大臣(感染症危機管理担当)、厚生労働大臣、国土交通大臣 あて
件名 ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)に対する適正な診療上の評価等を求める意見書
内容

 交通事故、スポーツ、落下事故、暴力など全身への外傷等を原因として発症する脳脊髄液漏出症(減少症)によって、日常生活を大きく阻害する様々な症状に苦しんでいる患者の声が、全国各地から国へ数多く寄せられていた。その後、平成18年に山形大学を中心に関連8学会が参加し、厚生労働省研究班による病態の解明が進んだ結果、平成28年より同症の治療法であるブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)が保険適用となった。
 その結果、それまで高額な自費診療での治療を必要としていた患者が、保険診療のもとにブラッドパッチ療法を受けることができるようになったが、脳脊髄液漏出症(減少症)の患者の中には、保険適用J007−2の要件に掲げられている「起立性頭痛を有する患者に係るもの」という条件を伴わない患者がいるため、医療の現場では混乱が生じている。
 また、その後の研究で、脳脊髄液の漏出部位は1か所とは限らず、頚椎や胸椎部でも頻繁に起こることが報告された。ここで、この頚椎や胸椎部にブラッドパッチ療法を安全に行うためには、X線透視下で漏出部位を確認しながらの治療が必要であるが、診療上の評価がされていない現状がある。
 よって、本区議会は政府に対し、上記の新たな現状を踏まえ、脳脊髄液漏出症(減少症)の患者への、公平で安全なブラッドパッチ療法の適用に向け、下記の事項について適切な措置を講ずるよう強く求めるものである。

 記

1 脳脊髄液漏出症(減少症)の症状において、約10%は起立性頭痛を認めないと公的な研究でも報告があることを受け、診療報酬算定の要件の注釈として「本疾患では起立性頭痛を認めない場合がある」と加えること。
2 ブラッドパッチ療法の診療報酬において、X線透視を要件として、漏出部位を確認しながら治療行うことを可能にするよう、診療上の評価を改定すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年10月12日

 葛飾区議会議長 伊藤 よしのり

厚生労働大臣 あて

件名 地方財政の充実・強化に関する意見書
内容

 今、地方公共団体には、急激な少子高齢化に伴う医療・介護など社会保障制度の整備、子育て施策、人口減少下における地域活性化対策はもとより、デジタル化、脱炭素化、物価高騰対策など、極めて多岐にわたる役割が求められている。
 しかし、現実には地域公共サービスを担う人員は不足しており、疲弊する職場実態にある中、新型コロナウイルス、また多発する大規模災害への対策も迫られている。
 これらに対応する地方財政について、政府は「骨太方針2021」において2021年度の地方一般財源水準を2024年度まで確保するとしているが、それをもって増大する行政需要に十分対応し得るのか、大きな不安が残されている。
 よって、本区議会は政府に対し、2024年度の政府予算と地方財政の検討に当たっては、歳入歳出を的確に見積もり、地方財政の確立を目指すよう、下記項目の実施について強く求めるものである。

 記

1 社会保障の維持・確保、人への投資も含めた地域活性化、デジタル化、脱炭素化、防災・減災、物価高騰対策、地域公共交通の再構築など、増大する地方公共団体の財政需要を的確に把握するとともに、それを支える人件費を重視し、十分な地方一般財源総額の確保を図ること。
2 とりわけ、今後一層求められる子育て対策、また地域医療の確保、介護や生活困窮者自立支援など、急増する社会保障ニーズが自治体の一般行政経費を圧迫することから、地方単独事業分も含め、十分な社会保障経費の拡充を図ること。特に、これらの分野を支える人材確保に向けた自治体の取組を十分に支える財政措置を講じること。
3 引き続きの新型コロナウイルス感染症対策として、5類移行後におけるワクチン接種体制や保健所も含めた医療提供体制について、自治体での混乱が生じることのないよう、十分な財政措置や、より速やかな情報提供などを行うこと。
4 会計年度任用職員制度の運用については、2024年度から可能となる勤勉手当の支給も含め、今後も当該職員の処遇改善や雇用確保が求められることから、引き続き所要額の調査を行うなどし、その財政需要を十分に満たすこ
と。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年10月12日

 葛飾区議会議長 伊藤 よしのり

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣 あて