都道環状七号線の青砥橋は、本区青戸二丁目と高砂一丁目を結ぶ中川にかかる東京都管理の道路橋である。この橋には、両端に左右計4箇所の垂直に上る階段と橋に沿って直線的なスロープが設置されている。高砂一丁目側の住民の多くは、通勤、通学をはじめ、生活に必要なスーパーやコンビニ、病院等を利用する目的で、青砥駅周辺との行き来に、日常的にこの橋を渡っている。
しかしながら、この橋に上がる階段は約60〜70段あり、通常の横断歩道橋の倍の段数を上り下りしなければならない。また、スロープはそれぞれ約150〜160mと長く、真っすぐで急でありながら青戸二丁目側には踊場がないため、車椅子の方やベビーカーを押す方は途中で安全に休むことができず、高砂一丁目側は踊場が3箇所あるが、公共施設や鉄道駅などにおけるスロープの整備基準と比較すると、踊場間の高低差は非常に大きなものとなってしまっている。こうしたこともあり、地域住民は日々大変な思いをしながら渡っており、特に高齢の方や障害のある方などはスムーズに渡ることが困難な状況から、最近ではやむなくタクシーを利用するなどの経済的な負担もあると聞く。
さらに、青砥橋の長いスロープは幅員2mの長い直線となっており、自転車がスピードを出して下るため、重大な接触事故が起こってからでは遅いという不安の声が車椅子やベビーカーの利用者からも出ている。また、青砥駅へは高砂諏訪橋と高砂橋を経由するルートもあるが、約1kmの遠回りとなるため、日常的な代替ルートとはなっていない。
このように、青砥橋は地域住民にとって日常生活に密着した橋でありながらも数々の問題を抱えており、バリアフリーの改善が必要とされている多くの橋の中でも、この青砥橋は突出して早期の対策の必要性が高い。
よって、本区議会は東京都に対し、青砥橋におけるエレベーターの設置を早急に実現するよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年12月14日
東京都知事 あて |